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姿勢について:Minoritenとこの


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姿勢について

 …自分で書いといて意味分からん。
 とある幼稚園に、砂場があったとする。

 その砂場で、砂遊びを好む児童が二名。それぞれやることは同じでも、出来上がったものや、それが人に与える印象は全く違う。

 一人の園児は、砂場に色々なものをつくり上げるのが好きだった。
 山を造ったと思えば途中放棄。ダムがひっそり建設途中、それに連なる川が造られるかと思いきや、何故か一軒家が完成している。
 本人は自分が楽しければいいので、自作の紙人形や家から内緒で持ってきた指人形を配置し、悦に浸る。
 それを見て、先生は何もそこまですることないのに、と少し困ってしまうが、出来はそこそこ良いし、まああの子らしいかな、と思い放置する。

 もう一方の園児は、砂場に山をつくるのが好きだった。
 この園児の技術は大したもので、水を混ぜた土での土台作りから始まり、なかなかの本格派だった。上にボールを乗せたり、お花や草を飾ろうなんて気にもならない。砂場の砂だけで、美しく堂々たる山を造ることを得意とし、心血を注いでいた。
 しかし、それを見ていた先生は勿体無いと思うのだ。あんなにもきれいに山を造り上げる能力があるのなら、もっと沢山、他のものを造れば楽しかろうにと。
 実際、先生はこの園児に色々とアドバイスをする。お花を飾ったらきれいになるんじゃないのかな、別のものをつくってみたらどうなのかな。
 園児はちょっと考えて、先生の「指示」に従う。それが楽しいのかどうかは分からない。園児は忠実に造り上げる。それに先生は、自分の目は間違いではないと確信する。
「お山だけじゃなくて、もっと他のものをつくりなさい」
 園児は従う。けれどやっぱり、楽しいのかどうかは分からない。

 それを見て、先生は少し後悔した。葛藤した。
「あの子には才能があるし、あの子も土いじりが好きなんだろう。山を造るのが好きなんだろう。
けど、それはとても勿体無い。
けど、あの子は山以外のものを造るのは好きなのかしら。
『自分は山を造っちゃだめなんだ』とか『自分は先生に言われちゃうくらいヘタな子なんだ』なんて思ってないかしら。
あの子にはそれだけの力があるのに誤解されないかしら。
それに、指示しながらも励ます行為そのものが、プレッシャーにならないって言える?
矛盾してないって、言える?」

 先生には分からない。
 それに、その子に直接訊ねたところで、本音が返ってくるのかどうかも分からない。
 そして先生には仕事がある。多くの多くの義務がある。
 だから先延ばしにしてしまう。けど誤解されているならきちんと話したいと思う。しかし反面、それが園児をますます混乱に誘い込まないものかと、恐れてもいる。
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