あぶそinじゃゆき
スノー「さあ、ジャドウ。
時間ですよ」
ジャドウ「何の時間だ。
もう出掛ける時間でもあるまいに、夜間の散歩と言うなら俺は遠慮するぞ。
……否、野外でと言うなら動かんでもないが……」
スノー「ふざけたこと言わないで下さい。
そうじゃなくて、お風呂に決まってます」
ジャドウ「風呂?」
スノー「そうです。
ここはネウガードみたく乾燥した地域じゃないんですから、汗を掻くとすぐ臭くなるんです。
それに、この時代はもう各部屋にシャワー完備なんですよ?
時代の流れをこういう部分で感じ取っても悪くないと思いますけど」
ジャドウ「いらん。
いいか、魔族は寒気に強い。
つまり…」
スノー「つまりも何もありません。
もうお風呂沸かしちゃったんですから入ってください」
ジャドウ「一緒にか?」
スノー「いいえ。
わたしは一人でゆっくり入りますので、ジャドウが先に入ってください。
わたしに『臭う』って拒絶して欲しいなら話は別ですけど」にっこり
ジャドウ「…………」しぶしぶ
ガコン
ガタン…チャポン
スノー(……あ、やっと入った)
~10分経過~
スノー(思ったより長いわね……。
お風呂気に入ったのかしら)くす
~20分経過~
スノー(…………)
~30分経過~
スノー(……いくら気に入っても、さすがにこの時間までいくと……。
いや、寝てるかもしれないからこのまま……)
~40分経過~
スノー(さすがにここまで来ると……。)
こそっ
スノー「あのっ、ジャドウ?
お湯加減、どうですか?」
しーん…
スノー「ジャドウ、ジャドウ?
寝てるんですか、起きないとのぼせちゃいますよ!」
…………
キィ~…←そっと開けてる
スノー「ジャドウ?
あの、大丈夫ですか」
…………
スノー「ジャドウ!?」
シャッ!
ジャドウ「ようやく来たか。
待ちかねたぞ」
スノー「…………」
ジャドウ「何だ、間抜けな顔をして。
よもや俺がこんなところで倒れるとは思ってなかろうな」
スノー「……知りません」
ジャドウ「……ふん、まあいい。
それはともかくな、スノー」
スノー「なんですか」
ジャドウ「折角お前もここまで来たのだ。
多少狭くなっても構わんのなら、一緒に入れ」
スノー「……やです」
ジャドウ「そう言うな」
スノー「やです」
ジャドウ「まあ抑えろ」
スノー「いや――っ!
ちょっ、ちょっと、ずぶ濡れなのに抱きつかないでくださいってば、あ、や、もうぅ!」
ジャドウ「そう言うなそう言うな。
折角俺愛しさに覗きに来たのだ、その愛情を俺が評価してやるだけの話だろうが」
スノー「上から目線で評価されても嬉しくありませんっっ!」
ジャドウ「まあそう言うな」
スノー「あ、ちょっ、だめってばもっぷ……!」
~翌朝~
リーザ「あら?
リトル・スノーさん、どうかしたんですか?」
ジャドウ「風呂でのぼせて倒れた。
まだ寝ている」
ゼロス「はあ? どんだけ虚弱なんだよ」
アデル「やっぱり、あの方はそういう人なんですね……。
これからの旅、ついていけるかどうか心配だわ」
ジャドウ「…………」←こいつのせい
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