3-若組着替え本格観察
アリア『っぷは……。
ゼレナさん、早いですね…』
アデル『あんな格好なら、早いのも頷けるけどね』
リディア『けどアクセサリーはいっぱい着けてるよね。
取り外しにくそうなやつ』
アデル『案外、見た目だけなのかもよ?』
イサク「なるほど……アリアさんの服はああなっていたのですね。
肩掛けを兼ねた上着を取り外して、中のワンピースとスパッツを脱ぐ、と…」
ゼロス「知ったところでなんかあんのかよ」
イサク「知らないことを知らないままにしておく性格か否かの問題ですから…」
グェン「そうそう!
兄さんは興味ないことだろうが、俺たちにとっては重要ってことだ」
ゼロス「………そんなもんか?」
リディア『アデルぅ~。
サポーター取るの手伝ってよ~』
アデル『普通に考えたら一番最初に取るんじゃないの?』
リディア『全部取るの面倒なんだもーん』
グェン「はは、やっぱりリディアも脱ぐのは早めか。
見た目にも一番シンプルな格好だし、そんな予感はしてたけどな」
イサク「下着も、彼女らしいスポーティーなデザインですね。
色合いも爽やかなストライプですし…女性らしさは感じません」
グェン「確かに色気はないな。
リボン付きってのが、リディアにとっての女の子らしさって感じか」
アリア『アデルさん、この、肩のベルトはどうなってるんですか?』
アデル『あ、アリアっ、別に手伝わなくていいわよ?』
イサク「アリアさんはベビードールですか」
グェン「白ってのがいかにもアリアらしいねえ。
素材も綿っぽいし、フリルもスパッツと同じようなデザインで控えめだし……。
ああして見ると女らしさより華奢さが目に付くな」
イサク「ワンピース姿のほうが体のラインをはっきりとさせていますしね。
深読みすれば、性的対象として見られたくないという密やかな意思表示としても見受けられます」
グェン「おお、なるほど!」
ゼロス「普通、わざわざ中に着るもんに意味持たせるか…?」
グェン「だから誰も兄さんと同じ考え方じゃないんだって」
リディア『そゆことで、アデルがべったでしたー!
早く脱がないと、お先に入っちゃうぞ?』
アデル『言っておくけど、ゼレナやあなたの世話見て遅くなったんだからね。
そんなこと言うと、もうサポーター手伝ってあげないわよ?』
リディア『ええ~!
アリア、アリア…アデルって、ケチだよねえ?』
アリア『えっ?
そ、そうなんですか?』
アデル『リーディーアッ!』
グェン「アデルは見た目にも脱がすのは大変そうだよなあ」
イサク「コルセットを外して、内部のスカートを脱ぐ方式ですね」
グェン「あのチョーカーを取ってからじゃないと、あの鎧も取れないみたいだし……。
網目は下に着てるもんかと思ってたが、どうもチョーカーと鎧を繋いでるみたいだな?」
イサク「そうですね。
腰周りだけの支えでは不安ですから、首からもずり落ちないよう支えているのでしょう。
スリップはスカートと類似デザインの気軽なものですが、下半身が何かと面倒そうです」
グェン「ガーターベルトだしなあ。
上半身は結構無防備な割りに、下半身はしっかりガード…いや、着脱が面倒なだけか。
あのエプロンみたいなのは一体何なのかね?」
イサク「コルセットの圧迫でスカートのプリーツが駄目にならないように守っているのでは?
普段見えるのは前面だけですが、あの通り、腰周り全てを覆っているようですし」
アデル『…よいしょっと』
アリア『くちっ!』
アデル『アリア…無理して待たなくてもいいのよ?』
アリア『あ、はい。
無理してませんから、大丈夫です』
グェン「…なるほど。
うーん、露出度に反して案外着込んでるんだなあ、アデル…」
イサク「その着込み方を見ても、防御より、段階を踏まえることを重んじる形式に見えますね。
彼女の几帳面さが滲み出ていると言えます」
グェン「下着の色も鎧と同じような色だし、なんつぅかアデルの好みで選んだって感じには見えないよな。
どっちかってと実用重視?
スカートの中が見えても女っぽさを出す気はないって、最初から構えてる感じだな」
イサク「そうですね。
復讐のために旅を始めた彼女でしたら、服装や下着に自然体を求めないのも頷ける話です。
常に体に軽く圧力のかかる服装をすることで、自分の緩みそうな気持ちを固く意識させている、といったところでしょうか……」
グェン「うむ、やはり下着は奥が深い!」
ゼロス「無理に深くしようとすんな」
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