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鎖で思いついた:Minoritenとこの


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鎖で思いついた

 久々小ネタ。お陰さまで勘が失われておりまする……。
 兄ちゃんがいつもくらいねっちょりとセクハラいですって注意書き書こうとしたけどそれ注意書きの意味ないなと思ってやめた。
フラグ/
スノー「はあ……」バタン
ナイヅ「……あれ。
 いつもの服じゃないのか?」
スノー「え、ええ、なんだか色々あって……」
ナイヅ「色々って?」
スノー「今朝になって、急にワンピースの紐がぶっつり切れて……」
ナイヅ「……え?」
スノー「サンダルの紐もちぎれちゃったから、さっきミュールを買ったところなんです」
ナイヅ「それは……幸先悪いな……。
 まあ、こっちまでその験担ぎが効果あるのかどうかはわからないけど、今日は、ずっと部屋にいた方が……」
スノー「ふふ、けどそういう訳にもいかなくて。
 これからリーザさんたちと、一緒にお芝居を観に行くんです」
ナイヅ「芝居、芝居か……。
 いや、けど、そこまで続くのはやっぱり止めておいた方が……」
スノー「ん……もうそろそろ集合時間ね。
 それでは失礼します」
ナイヅ「…………ああ、うん。
 何かはわからないけど、とりあえず気を、つけて……?」


伝説との遭遇/

~三十分経過~
女優『私は……私はこの国の女王なのだから!』

スノー「…………あら?」

~一時間経過~
男優『何故だ……。
 何故あの女は俺に気安く触れるのだ……』

スノー「……………………」

~一時間半経過~
女優『……嗚呼、どうして……!
 今になってあの人への想いに気付いたのに、どうして……!』

スノー「…………………………」

~二時間経過~
男優『既にこの手は血に塗れている……。
 この両手で穢れなきお前を抱くことなど、出来やしない……』

スノー「………………………………」ぷるぷるぷる…
アリア「す、スノーさん?」

~二時間半経過~
女優『やっと、やっと言えるのね、ジャドウ……。
 あなたを、愛している……!』
男優『……ああ。
 俺も……俺もお前を愛している、スノー……』

スノー「……………………………………」ずるずるずる…
アリア「す、スノーさん、大丈夫ですか?
 スノーさんっ」


有名税/
スノー「……………………それで?
 これは、一体?」
アデル「いや、その、なんて、言うか……」
リディア「まあ、えーと、ちょっとした、……そのう?」
スノー「魔が差した?」
リーザ「そ、そこまで考えてなかったのよ!?
 まさか、あそこまで、ダメージ受けてるなんて……」
アリア「今日のお芝居、お二人のお話だったんですねえ」
アデル「あ、アリア!?」
スノー「色々違う点はあるけれど、そうみたいね。
 わたしとしては全くもって予想外だったけれど」
アリア「そうなんですか?」
スノー「自分の人生を脚色されて、お芝居にまでされているなんて普通は思わないでしょう?」
アリア「確かに、ですねえ……」
リーザ「けど、リトル・スノー女王は色々有名よ?」
アデル「プラティセルバの異界の魂信仰は長い間続いていたものね。
 ……ええと、神官たちが秘密裏に異界の魂を呼んだせいで、二次大戦後の宗教も規制されるようになった、とか」
スノー「………………それは」
リディア「それより前にもあるじゃん!
 まだ人間と魔族がギスギスしてる時代に、何と、コリーア教の女王さまが大魔王の息子と恋愛関係にありましたっ!
 しかも本人もこっちの人間じゃなくて実は異界から来た凄い人ですっ、てさー。
 うわあって思うのは普通じゃない?」
アリア「それは、凄いですね!」
リーザ「ま、まあインパクトを感じた人は多いわよね。
 まだ二人の、召喚した側された側って言う関係しか明らかになってない……ええと、二次大戦前後くらいには、結構その手の創作も出来たみたいだし……」
スノー「そんな前に!?」
リーザ「けど、その時はまだ有名じゃなかったらしいわよ?
 ……その、異界の魂が女王として召喚され、召喚したのは大魔王ジャネスの息子って時点で、ドラマは感じるでしょう?」
リディア「だから勝手に恋愛ってことにしちゃおう! って作家がいたんだよね」
リーザ「そうそう。
 そんな本がルネージュ公国の偉い人の目に留まったらしいわ。
 それに対し、女王様を愚弄するような本を出すな! って、出版元に抗議したのが切欠でインテリ層に知られるようになって」
スノー「………………バグバットね」
アリア「ばぐ?」
スノー「いえ、何でもないわ。
 それで?」
リディア「まーさー、創作物を否定されたら人って反逆したくなるものじゃない?
 あと、国が禁止する本ってどんなのかなって興味持つ人もいるし」
アデル「異界の魂信仰が台頭して、恋人説を毅然と否定し続けてたからそうなのかな?ってときもあったらしいけど」
スノー(……ありがとう信者の人たち!)ぐっ
リーザ「他の異界の魂を召喚したのがバレて、強制解体されてからまた盛り上がったけどね……。
 女王の手記を完璧な保存状態で保管していたから、中が欠け頁もないまま研究・公開されちゃって……」
スノー(やっぱり今のなしで信者の人たち!)
リディア「それで、恋愛してるのは確定だよねってことになったんだよね。
 相手も時系列で考えれば誰かわかるってくらいになってー」
アデル「皇国が、噂が確定したならってことで人魔平等思想を広めるために結構大量に改訂版を刷ったのよね。
 だから、安価で手に入りやすく、しかも歴史の勉強にもなり、思想的にも理想ってことで大々的に宣伝して……」
スノー「…………仕返し?」
リディア「なんの?」
スノー「いえ、何もないわ」
リーザ「今やジャドウとリトル・スノーと言えば歴史モノ悲恋の代名詞。
 お芝居になるのも仕方ないくらいにはよく知られているの」
アリア「そうなんですかー」
スノー「…………そう」
リディア「そ・れ・でぇ~。
 感想は?」
スノー「………………そうね」


結婚式の『二人の出会い』ムービー的な/
スノー「……何も知らなければ、恐らく楽しめたんだと思うわ。
 わたしのいたところにも悲恋物語で世界的に有名な作品があるし、女の子は障害のある恋愛に憧れるものね。
 それと……わたしの手記も参考にしているからかしら、大まかな点では史実に忠実だったのも評価できるわね」
アリア「……大まか、なんですか?」
リーザ「あ、アリア……っ」
スノー「……………あんな感じ、ならまだ良かったんだけどね」はあ…
リディア「やっぱり違うんだ」
スノー「そうねえ……。
 あのひとがああも紳士的で消極的で迷いや苛立ちを一人で抱え込み続けて欲求や衝動を制して身を引くような弁えを知っていて素直に自分の感情を語れるようなひとならまだわたしも浸れたはずなんだけどね…………」
アリア「息が長いですねぇ~!」
アデル「感動するのそこ?」
スノー「現実は威嚇はするわ挑発はするわ苛立ったら人に当たるわ我儘だわ傲慢だわ迷うなら全部手に入れるタイプの天上天下唯我独尊おまけに意地っ張りで見栄っ張りで欲望には素直な上に喧嘩っ早いし手もすぐ出て頑固なのにやる事成す事文句の付けようがないのがとても、それはもうとても質の悪いひとだったけど!!」
リディア「……なんか、色々篭ってるね」
スノー「ごめんなさいね……。
 多分、今のわたしはあのお芝居や逸話を知って憧れている子がいたら、その幻想を一つずつ打ち砕きたくなる程度には荒んでいるから……」
アデル「それは、なんて言うか、その、壮絶ね……」
リーザ「じゃ、じゃあ、もうそろそろ帰りましょうか?」
スノー「そうね……。
 こんな日は、早く帰って忘れるまで眠りたいわ……」
アリア「えぇ?」
アデル「どうかしたのアリア?」
アリア「いえ……。
 スノーさん、寝れるのかなって、思って……」


ですよねー/
ジャドウ「どうした。
 妙に疲れた顔だな」
スノー「……あなたに気にされるくらいだなんて。
 そんなに酷い顔ですか?」
ジャドウ「ああ、実に酷い」
スノー「……嫌なものを見てしまいまして」
ジャドウ「何をだ」
スノー「わたしたちのお芝居」
ジャドウ「………………は?」
スノー「異界の魂リトル・スノーが大魔王の息子ジャドウに召喚され、女王となり、いつしか惹かれ合うも離れ離れとなり、最終的には一緒に封印される悲恋物語ですよ」
ジャドウ「……どうやって嗅ぎ付けたのかは知らんが、下らんことに時間を費やすな、人間は」
スノー「この場合はあなたに賛同します。
 ……予想もしていなかっただけに、疲れて……」
ジャドウ「恥ずかしさでか?」
スノー「……それもありますけど、違和感が大きくて」
ジャドウ「どんな」
スノー「……それは……、自分で考えて下さいっ。
 わたしはもう寝ますから、ほら、そっちを詰めて……」
ジャドウ「……つれないな、女王陛下」そっ…
スノー「!?」
ジャドウ「お前の虜たるこの憐れな男を、見放そうと言うのか?
 もっとその柔らかな唇から紡がれる甘美な言葉を聴かせてくれ。
 もっとその夜空に浮かぶ銀盤の如く輝く瞳に俺を映してくれ」
スノー「……ふざけな……」
ジャドウ「巫山戯てなどいないが、女王陛下が道化をお求めならばそうあろう。
 侍女の真似をせよと命ぜられれば喜んでその薄衣を脱がせよう、犬の真似をせよと言うなら喜んで……」
スノー「け、結構です……!
 もう……からかわないで、下さい」
ジャドウ「からかってなどいないとも。
 何せ俺は可憐な待雪草の化身であらせられる、女王陛下に心奪われし下僕」
スノー「もう、やめて!
 ……言うんじゃなかったわ」
ジャドウ「そうお怒りにならず、女王陛下。
 ……機嫌が宜しくないのであれば、我が手でお慰めして差し上げようか」
スノー「いい、です……。
 もう、……あ、ちょっ……」
ジャドウ「遠慮はなさるな、女王陛下?
 ……嗚呼」
スノー「ん、んんっ……!」
ジャドウ「……薔薇の芳香、春の夜空よりも甘く芳しい……。
 なあ女王陛下、この小さな果実は、一体何であろうな?」
スノー「……知り、ません……!
 はな、して……」
ジャドウ「……お断りしよう、リトル・スノー女王陛下。
 陛下の此処は、あなたの思う以上に俺を望まれておられる」
スノー「もう、ジャドウ!!」
ジャドウ「愛しているぞ」
スノー「………………な」
ジャドウ「愛しているとも、我が女王陛下。
 俺がこの世で唯一無二、そう言えるのはお前だけだ。
 お前はどうだ?」
スノー「………………ば、ばかっ」
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