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31~35:Minoritenとこの


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31~35

 ものすごく久々に。
 そのきっかけが別ジャンルのTSモノ見たからなんて言えない。

 新しい追加した分はどう考えてもアキラ、ずっとツンデレのターン。
 あとweb拍手お返事はもうしばらくお待ちを…!
31/メディーオ通り
アルフリー信「げ」
アキラ「う」
シロ「むっ!」
アルフリー信&アキラ(……また会っちゃった……)
ル・フェ明「アキラ殿にシロ殿か。
 よく会うな」
アキラ「えっ……
 あっ、はい、そうですね!」
アルフリー信「プッ、声裏返ってやんの」
アキラ「……たっぷり十秒近く固まってたあんたに言われたくないわね」
アルフリー信「あんだと!?
 てめえ、前からずっとムカつくこと言いやがって……喧嘩売ってんのか!?」
アキラ「事実を指摘しただけでしょ。
 喧嘩売ってると思うだなんて、自意識過剰じゃない?
 格好悪い」
アルフリー信「てんめぇ……!」
ル・フェ明「アルフリー信、婦女子に槍を向ける気か」
アルフリー信「けど……だって、だってさー!
 こいつ顔はともかく、性格ブスすぎるんだって!」
シロ「おお、またしても容姿だけは褒められたっちね」
アキラ「…………嬉しくないっての」
ル・フェ明「すまんな、アキラ殿。
 不躾な子ども故、容赦していただきたい」
アキラ「へっ?
 ああ、いや別に気にしてないですから……」
アルフリー信「はん、今更ネコ被っても遅いっての」
ル・フェ明「アルフリー信、よせ。
 ところでアキラ殿、少しお尋ねしても宜しいか」
アキラ「は、はいっ」
ル・フェ明「そう硬くならずともよい。
 ……以前アキラ殿が話していた、神器を預けた人物についての話だ。
 重傷を負っていたそうだが、他には何か特徴などはないかと思ってな」
アキラ「……服も血まみれな上にぼろぼろで、よく見えませんでした。
 あ、けど、ル・フェ明さんたちの甲冑にある模様と同じ額当てを着けてたような……」
ル・フェ明「……そうか」
アルフリー信「『ル・フェ明さん』ねえ……」
アキラ「いちいち突っかかる言い方しないでくれる?」
アルフリー信「その喧嘩腰収めたらそうしてやるよ」
アキラ「それはあんたのほうが先でしょ?」
アルフリー信「とてもそれだけとは思えないけど?」
アキラ「そりゃあ、あたしよりどう見ても年下な上に生意気なあんたより、
 年上だけど礼儀正しく接してもらえるル・フェ明さんのほうに態度を改めて当たり前でしょ」
ル・フェ明「ならば呼び捨てにしてもらっても構わん。
 下手に気を遣われてはこちらも本音を話し辛い」
アキラ「だったら、あたしのほうも『殿』付けはやめてもらえたら……。
 ちょっと、そういう呼ばれ方は慣れてないので……」
ル・フェ明「承知した」
????「きゃ―――っモンスターっ!」
アキラ「また街中にモンスター!?」
ル・フェ明「……おかしいな、このような街中にモンスターなど」
アルフリー信「二人ともそんなこと言ってる場合かよ!
 さっきの悲鳴、女だろ? とっとと行こうぜ!」


32/メディーオ通り5-1
アルフリー信「おい、大丈夫か姉ちゃん!」
????「あ、ありがとうございます……。
 あなたがたは……」
アルフリー信「通りすがりの旅人みたいなもんかな?
 さ、ここはオイラたちに任せて、あんたは……」
ル・フェ明「……もしや……」
????「その鎧の紋章……。
 もしかして、双女神神官の方々でしょうか……?」
ル・フェ明「やはり主もか。
 その様子ならば、ニヴ貴と同じく巡検使だな」
アルフリー信「へっ?」
????「お察しの通りでございます。
 ああ、ようやく頼りになるお方にお会いできました!
 わたくし、名をファイ代と申しまして、詩人として各地を旅していたのですが。
 ……このところ、まるで狙われているようにモンスターの襲来に多く遭ってしまって……」
アルフリー信「任せとけよ姉ちゃん、オイラたちがあんたを守ってやるって!」
ファイ代「まあ、頼もしい坊やね」
アルフリー信「ぼ……!?」
ファイ代「街中の襲来とあっては逃げることもできず、このままでは街の人々に被害が及びます!
 どうか凛々しい神官さま、わたくしに助力していただけませんでしょうか……」
ル・フェ明「アキラ、よいか」
ファイ代「チッ……女付きか」
アキラ「ち?
 ……ああいや、うん、この人に手を貸してもいいと思う。
 それに、あたしもこれを見てるだけはイヤ」
ル・フェ明「よかろう。
 ファイ代と言ったな、手を貸そう」
ファイ代「ありがとうございます……!」

―戦闘終了後―

ファイ代「ああ、感謝してもしきれないくらいですわ!
 本当に、どのようにしてご恩をお返しすればよいか……」
ル・フェ明「気にするな」
アルフリー信「……おい、気づいたか。
 さっきのモンスター、あの神殿の中で襲ってきた奴もいたぞ」
アキラ「……じゃああいつらの狙いは神器ってこと!?
 宿に行こう、急がなきゃ!」
ル・フェ明「すまんが一端我らは宿に戻る。
 主は危険な目に遭いたくなくばそこにいろ!」
ファイ代「ああん、ル・フェ明様っ!
 ……あんな色男放置してなるもんかっ。 わたくしもご一緒いたしますわ!」


33/住宅街5-2
アキラ「マキ美、みんなも!
 ……よかった!」
マキ美「アキラ、無事だったのね……」
ゲイ子「一人頭多いみたいだけど、あそこにいるのは誰さ?」
アキラ「ファイ代って言う……双女神神殿の巡検使だって。
 あの人が、街にモンスターがいるって知らせてくれて……」
ゲイ子「ふん、あのツラは正義の味方って言うより、獲物を狙う泥棒猫って感じだね」
シロ「そんなことより神器はどうしたっち!?」
ニヴ貴「確認はしてないけど、多分やばい。
 一斉に連中が襲ってきたから街の人を守るのに必死でね。
 宿に戻ろうとしても出るわ出るわ……」
ル・フェ明「やはり奴らの狙いは神器か。
 しかし、あれでは近付こうにも近付けんな」
マキ美「こんなんじゃ、強行突破しかなさそうね」
ゲイ子「ちょっとアンタ、付いて来た以上、手伝ってもらうよ」
ファイ代「そのつもりだから安心しなさい。
 全てはル・フェ明様のためですもの……」
マキ美「いいみんな、敵を倒すのは後回しよ!
 誰でもいいから宿に戻るの。
 足が速い人はとにかくひたすら走って!
 足が遅い人は敵を倒して足が速い人をバックアップすること、わかったわね!」

―戦闘終了後―
アキラ「……し、神器は!?」
ニヴ貴「どうやら、遅かったみたいだね」
マキ美「……カシア沙」
カシア沙「ほう、貴様らの中に私の名を知る者がいるとは……。
 同郷の類かな?」
マキ美「この連中を引き連れてきたのはあんたと見て間違いないかしら?
 にしても、あのカシア沙がヒュード羅の仲間だなんて、世の中案外狭いのね」
カシア沙「貴様が知るのは世の狭さではあるまい?」
マキ美「さあね、そんなこと知ったこっちゃないわよ。
 とっととその手の中にあるもの、返してもらおうじゃない」
カシア沙「無理を言う。
 それではこの連中を率いた意味がなくなってしまう故な。
 こちらで丁重に預からせていただこう」
マキ美「今すぐ返しなさい!」
ドンドンドンッ
カシア沙「…………ふん」
ス……キィン!
カシア沙「気が短いな。
 ヒュード羅と同類か?」
アキラ「うそっ……」
ニヴ貴「弾丸を弾いた……!?」
マキ美「多分違うわよ、……斬ったんでしょ」
カシア沙「このような鉛弾で私の命など取れはしない。
 私の名を知るお前なら、それくらい分かっているだろう?」
マキ美「くっ……」
カシア沙「ふふ、お前はあれと違って幾分かは聡いらしい。
 では、現在のお前たちに私に敵う力はないとも、分かっているな?」
ニヴ貴「…………」
アキラ「……そんなこと!
 こっちはあんたより手数は多いんだから……」
ニヴ貴「止めるんだアキラ。
 今のオレたちじゃ、あいつには敵わないよ」
アキラ「なんで……!」
マキ美「黙ってなさい、アキラ!」
カシア沙「賢明な判断だ。
 では、これは頂こう。
 なに、用が済めばいくらでもお前たちの好きにするがよい」
アルフリー信「待てぇええ!」
カシア沙「では、な」


34/リト連戦戦闘終了後
アルフリー信「チッ……!
 足の速い女だぜ!」
ゲイ子「まんまとしてやられたみたいだね」
ニヴ貴「アキラの持つ神器も狙われなかっただけましだよ。
 あれで力ずくでも奪い取る、なんて言われたら、絶対に敵わなかった」
アキラ「……そう」
マキ美「そうこうしてる暇はないわね……。
 ル・フェ明、他に神器を納めている神殿はないの?」
ル・フェ明「一箇所だけならば知っている」
マキ美「なら、そこに行きましょう。
 神器にどんな力があるのか知らないけど、あいつらが組んでるとなると話が違ってくるわ」
ル・フェ明「知り合いか」
マキ美「片方は一方通行だけどね。
 ……あの二人の人となりを知る以上、その神器の力がどんな方向で生かされるのかはなんとなく分かってきた。
 けど、あたしはこれを知った以上、あの二人の思い通りにさせたくない!」
ル・フェ明「気持ちは嬉しいが、主らはそもそも双女神神殿とは無関係な間柄。
 これは我らの問題ゆえ、主らとはここで一端……」
マキ美「それが一番安全だって言うの?
 こんなむしゃくしゃした気持ちを抱えて、悠々とあんたたちを送り出すわけにはいかないわ」
ファイ代「そ、そうですわル・フェ明様!
 わたくしも双女神神官の端くれとして、彼らの助力を仰ぐのが得策と考えますもの!
 ……ここでオチオチこんな獲物を逃がすのもイヤだしね……
ゲイ子「……アタシはさっきの奴が気になるね。
 銃の弾丸を斬るなんて腕前、仕事でも滅多にお目にかかれるもんじゃない」
ニヴ貴「お姐さん、命知らずだなあ」
ゲイ子「あんたは尻尾巻いて逃げ出す気かい?」
ニヴ貴「なんでそうなるのさ。
 オレはもともと双女神神官だから、無関係なんかじゃないんだよ」
ゲイ子「なるほどね」
シロ「ワシも行くっちよ!」
アルフリー信「うわ、一番いらねー」
シロ「ぬ、ぬぁんということを言うっちー!」
ル・フェ明「……すまぬな、皆」
アキラ「…………」
マキ美「アキラ、あんたはここにいなさい。
 あんたこそ本当に巻き込まれた、部外者なんだから。
 もともと住む世界の違うあんたに、こんな危険な旅に付き合わせる理由なんてない」
アキラ「いや……あたしも行く」
マキ美「アキラ……!」
アキラ「気を遣わなくていいよ、マキ美。
 あたしはイヤなの、他人の意見に流されるだけの自分なんて。
 楽な方に、無難な方向に落ちていくだけの自分なんて」
シロ「…………」
アキラ「けど、それに対する反発心なんかでもない。
 あたしは運命とか必然とか、そんな言葉も信じたくないけど、それに抗うためにヘソ曲げるなんて真似もやっぱりイヤなのよ。
 だから、あたしは自分がしたいほうを選ぶ。
 自分の感情に後ろめたくならなくて、後悔が少ないほうを選ぶ」
マキ美「……そっか。
 ごめんね、アキラ」
アキラ「マキ美が謝ることないでしょ。
 大丈夫よ、こんな世界で死にたくないから、危なくなったらちゃんと逃げる」
ゲイ子「逃げた後は傭兵業でもやるんだね。
 あんたの剣の腕前はアタシが保証してやるからさ」
アキラ「別にお世辞なんて聞きたくない」
ゲイ子「まった憎たらしいこと言うねこの子は!」
アキラ「ひぁっ!?
 ちょっ、ちょっといたいいたいいたいいたい……!」
ゲイ子「お黙り。
 アタシの意見を突っぱねた罰だよ」
ル・フェ明「…………フッ」
アルフリー信「ル・フェ明?」


35/リト戦闘終了後続き
ル・フェ明「では、主らに伏せておった、双女神神殿に伝わる伝承の話をしよう」
アルフリー信「本気か?
 伝承って言ったら、神官以外には門外不出だろ?」
ル・フェ明「彼らは我らの事情に手を貸すことをここに盟約した。
 ならば、我らもそれに見合った誠意を見せるべきだ」
ファイ代「そうそう、ル・フェ明様のおっしゃる通りよ」
アルフリー信「……ハイハイ」
マキ美「……それは、あいつらの目的に関わりがある話なのね?」
ル・フェ明「そうだ」
ゲイ子「なら詳しく頼むよ、その伝承とやらをさ」
ル・フェ明「『二つの鍵によりて
 四つの血肉を甦らさん
 甦りし血肉により
 等しく破滅はもたらされん』
……。
 神器にまつわる伝承を抜き出せば、これで以上だ」
マキ美「短くはあるけど、物騒な内容ね……。
 ますます奴らに相応しい狙いになってるわ」
アルフリー信「二つの鍵は封印の神器と対になった何か、と考えられる。
 つまり、それも封印の神器と同じ能力を持ってるかもしれないってわけだ。
 ……よな、ル・フェ明?」
ニヴ貴「なんだ、アルフリー信がそう考えたんじゃないってこと?」
アルフリー信「うっせ!」
ル・フェ明「落ち着け。
 そう考えるに到り、封印の神器を持っているだけで他の神器を奪われぬと安心してはいられなくなったのだ。
 今回奪われた神器がその鍵の能力を持つのならば、尚更急がねばならぬ」
ゲイ子「できるもんならあの神器も奪還したいところじゃないのかい?」
ル・フェ明「そうだな。
 しかし、件の女剣士は強敵と聞く。
 ならば、一刻も早く他の神器を集め、奴らより先に我らが神器を保護を優先する」
ニヴ貴「効率面で言うならそっちのほうが確かにいいね」
ファイ代「ル・フェ明様のおっしゃる『保護』が確保だけでいいのでしたら……。
 この子が持っている神器はル・フェ明様がお持ちになったほうがいいのではないのですか?
 何も知らぬ素人が神器を持っていては、神器の力が衰えたり、何らかの弊害が出るかと思われますが……」
アキラ「……そうなの?
 だったら……」
ル・フェ明「いや、それはアキラ、主が持っていてほしい。
 主の証言から、その神器を託したのは双女神神殿の者だと考えるが自然。
 恐らく、あ奴ら賊の襲撃に遭い、神器だけは守ろうと神殿を飛び出したのだろう……。
 ならば私は同じ双女神神官として、主と同じく、その故人の遺志を尊重したい」
アキラ「…………。
 わかった」
ル・フェ明「そういうことだ。
 私情ですまんな」
ファイ代「いえいえ!
 ル・フェ明様がそうおっしゃられるなら、それが最善なのだと思いますわっ」
アルフリー信「なんかあの女、うさんくせえ……」
ゲイ子「んなこと見れば分かるもんだよ」
ニヴ貴「はいそこ、ぶつぶつ言ってない!
 事は一刻を争うんだよ」
マキ美「じゃあル・フェ明、もう一つの神殿への道案内、頼めるかしら」
ル・フェ明「承知」
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